happykobe2005-10-21

兎に角先ず自らが自らに反る。志ある人々が先ず自らに反って、石に躓(つまず)けば、こんちくしょうと石を蹴飛ばさずに、自分が過ちであったことを省みる、恥ずる。そういう心の持ち方、考え方でゆく。そして自分が本当の自分に反った時にはどうなるか。
人は省みることによって、自ら反ることによって、はじめて心というものに触れることが出来る。他の動物も感覚や或る程度の意識は持っておるけれども、人間の様な複雑微妙な意識・精神、総称して心というものは持っていない。
人間の心というものは天地・自然が人間を通じて立てたものである。自然は、天地は、何億年何千万年何千年といろいろ植物動物をつくったわけでありますが、その人間が五十万年もかかってやっと人間らしくなって、その人間の中にこの高邁(こうまい)な精神的存在、即ち心というものを発達させ、文明、文化らしいものをつくって先ず五千年と考えられておる。従ってわれわれが心を持っておるということは、言い換えれば天地が心を持っておるということです。われわれの心は天地の心である。天地が発してわれわれの心になっている。