happykobe2005-11-09

第一の人間たるの本質的要素とは何ぞや。これは「徳性」というものでありまして、平たい言葉で申せば、素直で、明るく、清い。人を愛し、助ける、人のために尽くす、或いは報いる。又いかなることにも堪える、忍ぶ。従って努める、努力する。
こういうものはいわゆる徳目というもので、数えれば限りがありませぬが、これらが人間の人間たる所以の徳でありまして、これがなければ人間ではない。
子供は、三歳くらいの幼児の頃からいわゆる「三つ子の魂」が現われて参りまして、もう五、六歳頃には立派に性格の基礎が出来る。そして知能や技能の基本的なものがぐんぐん伸びて、十歳から十二、三歳頃をピークとして、十六、七歳で一応人間の根本的な型というものが出来てしまう。それから先は付属的な知識や技術、及び経験だけが発達してゆくのです。
だからどうしてもこの間に道徳教育・精神教育・或は人格教育というような人間の根本的なものをたたきこむ必要がある。良い躾をつけるということが大事であります。これをしておかぬと、その後に発達して来る知識や技能というものが極めて浅薄な機械的なものになってしまう。