happykobe2005-10-18

アレキシス・カレルは、偉大な医学者であって、哲学者・人類の教師とも言うべき人でありますが、こういうことを言っております。
われわれの真の健康・体力・生命力というものは、単なる体格だとか、身長だとかいうものとはまるで違う。十分に考慮せられた栄養を摂取し、十分なる睡眠をとり、規則正しい生活をして、そうして予定に従って訓練を受ける、というような近代スポーツマン的な体格や、或は科学的に育てられた、均斉のとれた肉体などというものは、これは決して当てになるものではない。真の体力・健康というものはもっと矛盾に富んだ、もっと苛烈な、自然の暑さ・寒さ・飢餓、その他いろいろの不自由やら迫害と闘って、自然に鍛え上げるものでなくてはならない。
そういう意味から言うならば、文明の知識と技術の下につくり上げられた体力・生命力というものは弱いものである。文明はだんだん人間を弱くする、とまあ、こういうことを痛論しておるのであります。