happykobe2005-10-12

もう駄目だということになったならば、一ぺんそれをおっぽり出してしまうのが宜しい。どうせ駄目なものなら、悶えておっても仕方がないから、これは成行きにまかせてうまくやるより外にはない。
禅家の言葉で言えば随波逐浪(ずいはちくろう)ということです。波をつき切ろうとするからへとへとになってしまうので、波にのっかりながら、波の通りに逐(お)っかけてゆけば疲れない。敗局を成した時にはそれを一ぺんおっぽりだして、そうして形勢に乗じてうまく逐浪すれば良い。くよくよすれば益々どうにもならなくなる。
同様に機縁というものは、まだつかまえる端がなくて、よくわからない時には、これもあせってはいけない。なんとか手練手管でやろうと無理にするとよく後悔を残す。自然にまかせておくのが良い。だから何事によらず無心で、そうして感覚・直覚力を鋭敏にして、その時の勢、問題の性質にうまく随波逐浪してゆくのが良いのであります。