happykobe2005-10-03

現代の世の中・文明というものが、このように非常に物質化、機械化して、しかもあらゆる発明発見が発達して、世界が一つとか言われているように有機的に緊密に組織されてしまって、通信・交通いろいろのものが発達する。文明生活の内容が非常に複雑豊富になっている。当然ながら人間の生活は忙しくなる。実に多忙で、その忙しい仕事も昔のようなこのまったき意味、円満な意味、具体的な生命とか興味とかいうものじゃなくて、ごく機械的なほんの断片的な仕事、事務、そういったものに駆り立てられているのであります。
その癒しとして何をしているかというと、もうほとんど他愛もない娯楽であります。ラジオ、テレビ、週刊雑誌。ゴルフなんかも、やっておる人はえらく意味があるつもりでしょうけれど、映画、音楽、体育、何かしらんみな大衆娯楽というものがえらく発達して、こういうものに紛らしている。意味のない、とりとめもない忙しい仕事と、他愛もないその間の娯楽とで、大衆というものはほとんど物事を真剣に考えなくなっている。ものを考えるのは、少数の専門家と一握りの支配者だけになっているのであります。