happykobe2005-09-11

世の中は、これでもか、これでもかというように、とくにこの頃はサービス産業、大衆娯楽産業が発達し、現代人はますます自己を失いやすくなっておる。昔の産業は近代経済学の分析でいうと、第一次産業といって、土をひっくり返して、稲や麦や野菜をつくるとか、山を掘って地下の埋蔵物、鉱物を掘り出すというような自然資源の発掘、あるいはまた栽培利用するという、本当の生産的事業に人々は従事した。
次にはその原料に基づいていろいろ利用価値のあるものをつくり上げるという技術産業、すなわち、第二次産業時代が到来した。この辺までは人間の経済活動も真面目なものであった。ところが、最近はサービス産業とか大衆娯楽産業という第三次産業、レジャー、バカンスの第四次産業というものがどんどん頭角を現し、人間精神を散乱させるようなことばかりが発達している。これではもうどうしても散漫にならざるを得ない。