happykobe2005-09-10

子供というものは、決して愛だけで満足するものではありません。愛と同時に、本能的に敬の心を持っておりまして、子供はその敬の対象を親に求めるわけであります。よく幼児が、父親の帽子をすっぽり顔までかぶったり、大きな靴をはいてよたよた歩いたりして、父親の動作をまねては大人たちを笑わせるのでありますが、あれは決していたずらやふざけでやっておるのではない。子供の父親に対する敬の本能的現れなのであります。
したがって、そういう点から言って、父親というものは子供に対してあまり口やかましく言わぬほうがよい。それは母親の役目であって、それよりもまず父親は子供の敬の対象、理想像になってやらなければならない。理想像として子供のイメージを壊さぬような、また子供は自らにして敬の心を抱くような、そういう態度、言葉、振る舞いがより大事であり、必要なのであります。