happykobe2005-08-04

おそらく誰知らぬ者もない「廃人の奇蹟」はヘレン・ケラー Helen A.Kellerでしょう。この人はナポレオンとともに、十九世紀の奇蹟と言われた婦人です。これは生まれると二歳の時、脳膜炎をやって、眼も耳もだめになってしまった。これは実に悲惨なことです。幸いに家がよかったので、両親が非常にこれを悲しんで、あらゆる方法を講じたけれども、どうにもならない。それでも諦めずに、あの電話の発明で名高いベルの助言を聞き、またサリバン女史という非常に立派な慈悲と智慧に富んだ婦人がありまして、この婦人につけることができました。その温かい行きとどいた看護のもとに、この不幸な少女は無事に育って、育ったばかりでなく、だんだん盲目で聾唖でありながら知能を啓発して、ついに数ヵ国後をよくするようになり、ハーバード大学に入って、当時婦人としては奇蹟的な業績を挙げるまでに至りました。十九世紀の奇蹟の一人と言われる所以です。このヘレン・ケラー女史が、ある席で述べた感想に、
「結局、人間は努力です。努力することによって開発されぬ何物もありません」
と語っております。これは人間の肝に銘ずべき至言であります。