2005-07-29 ■ 安岡正篤 自分があるから敵がある。自分がなければ敵もない。敵というのはもともと対立するものの名である。それは丁度陰と陽、水と火といった類と同じである。およそ物の形あるものは必ずそれに対立するものがある。自分の心に形がなければ従って対立するものもない。対立するものがなければ争うものがない。これを敵もなく我もなしと言うのである。