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大体人間のすることはうそが多いというので、「人が為す」と書いて「偽」という字ができておる。この偽という字は、一つの意味は人為という意味で、その次の意味はうそです。人間のすること、技術、これは大事なものですが、けれどもこれはやがて往々にしてうそになる、これは今日においても参考になる。
その一番適切な例は、科学技術の発達による今日の機械文明・工業文明です。これは自然の意味の人為、良い意味の技巧です。それが今日みるところの公害を発するというのは、いかにこれが自然からいうと工業文明というものがうそがあったかということを表すわけです。この偽という字は、人為・技巧という意味と、その中に含まっておるものが出てきたいわゆるうそ、偽りという意味とが両用されております。