happykobe2005-08-19

人の人たるゆえんは、実に「道徳」を持っておるということです。そしてそれは「敬」するという心と「恥」ずるという心になって現れる。いくら発達した動物でも、敬するとか、恥ずるとかいう心はない。これは人間にいたって初めて神が与えたものなのです。敬する心は、人間が限りなく発達を望んで、未完成なものにあきたらず、より完全で偉大なるものにあこがれるところから生まれてくる。これは人間独特の心理であります。そして敬する心が起こると、必ずそこに恥ずるという心が生まれてくる。敬する心と恥ずる心とは相待関係のものでありますから、したがって敬を知る人は必ずよく恥を知る人であり、恥を知る人は必ずよく敬を知る人である、ということができるわけであります。