身を持するには、はなはだ皎潔なるべからず。一切の汚辱垢穢、茹納し得んことを要す。人に与するには、はなはだ分明なるべからず。一切の善悪賢愚、包容し得んことを要す。(菜根譚)

世間を渡るのに、あまりに潔癖すぎる態度はよろしくない。いろいろな汚ないものをも腹の中に納めてしまう度量が必要だ。人とつきあうには、白か黒かとレッテルを貼ってしまってはならない。善悪賢愚、さまざまな人たちを平等に受け入れる寛容さが望ましい。(吉田豊