happykobe2005-11-01

人間というものは不精なものでありまして、早起きして、たまにはどこか回り道して歩いてみるのもいいんだが、そうすると十分ばかり損をするとか、何とかけちなことを考えて、結局は決まりきったコースで行ってしまうし、読書にしたって、自分は銀行マンであるから、別に政治だの哲学だの、そんなものに関係がない。したがってそういう余所(よそ)の世界の人間とか書物に別段付き合う必要もない。銀行マンだから銀行の仕事に関するもの、経済の書物とか景気の観測、そういうものぐらいを読むなら読んで、経済人と付き合って、それで十分だなどという生活をしておる。まことに味もそっけもない。モノの考え方が型にはまって、融通のきかん、応用力のない、魅力のない木偶坊のような人間になってしまうんです。
だからこそ、職業人になればなるほど、できるだけ余裕というものをつくって、別の世界、別の思想、別の学問といったものに触れる心掛けが必要です。そうしないと、人間が生きてきません。これはむしろ養生法、日用心法のうちでも大事な点です。