happykobe2005-08-10

明治維新を成し遂げた西郷南洲(隆盛)という人は、名誉だとか地位だとか権勢だとか、そういうものを誇るということが一つもなかった。淡々として、どうかすると、非常に虚無的であった。こういう人こそ真実の人、真人であります。地位だの名誉だの権力だの、そういう位階・声望というものはこれは世の中の真実だから、私もそのまま肯定するけれど、それに対しては、淡々としてなんらの私心を持たない。
現代の日本の政治家とか経営者はその地位に就くと、嬉々として嬉しがる、幅を利かす、得意になる。それで大臣や社長を辞めるときには、むやみに執着する、未練を残す、苦悩する。しかし、これは東洋の宰相、リーダーたる資質じゃない。淡々として、水のごとしというところがあって初めて東洋人の好む、迎望する人、宰相であります。